ゲゲゲだろうが墓場だろうが構わん

 ゲゲゲの鬼太郎には邪心はないけど、墓場鬼太郎なら邪心まみれだよなと普通に思った。日曜朝の鬼太郎は子供達のヒーローとして、木曜深夜の鬼太郎は災厄災難を招く不吉の象徴として描かれるのでしょう。同じキャラでここまで別人格として全国区で放送できるとは、なんと贅沢な。

 ゲゲゲの方はもうそろそろクライマックスだと思うんだが、今までのシリーズの中で長編としての体裁を唯一取っているんじゃないかな。
 基本的に今までのシリーズは一話一話で楽しめるオムニバス形式で、シリーズを通しての宿敵はぬらりひょん(特に第三部)ぐらいだったのが、今回は敵勢力として西洋妖怪を固めたり、地獄に関する伏線をいくつか付け加えて、一つの長い物語として見れる作品になっている。
 メイン脚本が三条先生(ダイの大冒険:原作)だからか、少年漫画として見れば完成度が高い出来となっている今シリーズ。水木先生の作風や意思は墓場に下駄を預けて、こちらはこちらでやるぐらいの気概を持ってもいいと思うんですが。水木先生の本意である「不吉の象徴」の鬼太郎も良いですが、歴代アニメスタッフが築いてきた「子供達のヒーロー」鬼太郎のイメージを継承していって欲しいというのも俺の本音だったりします。

ついでに今週の感想。
・ゴーゴンが三姉妹だと公言したのは、そのうち他の二人が出る伏線でOK?
そもそも鬼太郎で他の二人を見た記憶が無いのだが。出てたっけ? メドゥサとか。
・子泣きじじいが対西洋妖怪のリーサルウェポンになっていらっしゃる……。現時点でフランケンを真正面からの殴り合いで撃退し、ゴーゴンも石化の魔力を失うレベルまで痛めつけている。普段の役立ち度が減少している分、ここぞの爆発力がスゲエ。
・ゴーゴンは鏡を持っていれば大丈夫というありがちな対処法が、OPの前に潰されたのは凄く良かった。だって、鏡で反射して勝利ってありきたりじゃないですか。ありきたりな手法はとらないぜって製作者の宣言が小気味良くてベネ。
・一週遅れてですが、先週のメイドさん大乱舞なシナリオ書いたの真倉先生だったんですね。うん、納得。ぬ~べ~の原作者が鬼太郎のシナリオを書く事になるとは。ブキミちゃんとかメリーさんは思い出すとガクブルだぜ。