奇天烈アメコミキャラ名鑑:裏の1

 自分がHITMANの1巻に寄稿した奇天烈アメコミキャラ名鑑。文字数の都合で載せられなかった情報や、HPならともかく書籍に載せるのはちょっととなる砕け過ぎな部分を、改めて解説。これだけ書いても、まだまだ語りたい部分が多々。そういうのは、おいおい日常や次の機会に。

コンゴリラ

ダンディ→ゴリラ

 猛獣ハンターコンゴ・ビルが、魔法の力で金色のゴリラに変身! ゴリラ界でも珍しい、魔法タイプのゴリラです。Fateで英霊として召喚されたら、まず第一候補はキャスター。超クールだよ! 旦那!
 能力的に何が出来るかと言われると、何でも出来ます。ゴリラの枠を越えたスーパーゴリラと呼ぶべき身体能力は当然として、コンゴ・ビルが持つ狩人としてのハンティングやサバイバルに関する膨大な知識も忘れてはならぬもの。そして大西洋を泳ぎきる水泳能力とタフネスを持ち、更には巨大化まで可能。何故出来るって? 魔法だからだよ。
 一番の注目すべきポイントは、コンゴ・ビルはコンゴリラに変身する男として誕生したのではなく、別個のキャラとして約10年前に誕生していること。つまり、コンゴリラへの変身は、パワーアップやテコ入れにカテゴライズされるもの。
 ルフィはギア2でゴリラに変身するんですよ! 一護の卍解はゴリラです! あまりに極上な展開すぎて、日本人にはまだ早いとしか言えねえよ!

キャプテン・ブーメラン

この後、後頭部にスコーンと当たります

 キャプテン・ブーメランと言えばローグスとスーサイド・スクワットなのですが、二つの組織に所属した結果、本人ピンチな時にローグスとスーサイド間での責任の丸投げ合戦の結果、誰も助けに来てくれなくて大ピンチというオチも。
 なお、今では悪役チームとしての地位を築いているスーサイド・スクワットですが、初期構想では“とりあえず色々な所から、死んでも問題ない程度の人気やポジションのキャラ集めてリサイクルしよう!”という鬼の如き発想のチームでした。フラッシュ代表、キャプテン・ブーメラン! 物語的にも、ヴィランを政府が扱っているとマズイので、非公式かつ使い捨てと公言されておりました。
 そんなスタートとポジションを証明するかのように初任務でメンバーの一人であったブロックバスター死亡。この展開、いわばスーパーマンやバットマンといった人気キャラが共有財産である、アメコミだからこそ出た、真逆の発想。人気キャラ殺すとまずいなら、人気無いキャラ殺せばいいんだ! 何人か集めれば、話も出来るさ! 鬼、鬼が居る。
 幸い人気が出たので、スーサイド・スクワットシリーズは続行後現在まで続いていますが、この初期の先行き見えないハラハラドキドキ感は初期特有のもの。シリーズの人気が出てから加入したバットマンの人気キャラでもあるベインやハーレークインは、死相見えてねえもの。誕生当時はさながら、どんな人気キャラもぽっと出のキャラに負ける可能性をはらんでいるテニスの王子様の如き空気。
 ……もしシリーズが振るわなくて打ち切りとなっていたら、捨て駒レベルで集められたブーメランさん達は、どうなっていたんだろう。

ドクター・ライト

気ぃ抜くと、両腕とかもげる

 最初はもうちょっとふわっとした感じだったのですが、スーパーゴッズでモリソンが全部バラしたので、口憚られる婦女暴行癖もストレートに書くことになりました。おのれモリソン。ところで“愛する者達の臓器に迫る危険”って表現、物凄いですね。
 キャラ事典でもちらっと触れていますが、ライトの婦女暴行癖はアイデンティティ・クライシス後に付け加えられた物。ではそれ以前の彼はと言うと……いつ死んでもまあいいや!程度なポジションの悪役といいますか。前述したスーサイドスクワットにも、死相有り有りで参加してますしね。初期メンバーじゃないけど。
 没個性であった彼が、特性婦女暴行癖を付けられてどうなったのか。個性を得て目立った後、どうなったのか。行き過ぎた外道に目をつけたのは、行き過ぎた正義の味方である、復讐の精霊スペクター……。