日々雑談~5850~

らーめん再遊記 (1) (ビッグコミックス)

 Twitterで話題になってたのと、若干おまけポイントがつくセールをやってたので、既刊3巻分をまとめて購入。ラーメン発見伝、らーめん才遊記に続くシリーズ第三作目。主人公は発見伝や才遊記にて、悪役や師匠や先輩、とにかくいろいろな顔を見せつつ、ずっと第二の主人公であった芹沢達也。なにしろ、前2作でキャラが立ってる芹沢が主人公なので、まあ面白い。ラーメン屋としての成功に挫折、職人としての意地に商売人としての現実、マニアとしての自身と身勝手なマニアへの侮蔑、酸いも甘いも知り尽くした強キャラとしての説得力がとにかく強いし、現実の人間と同じような多面性が内部でぶつかりあうキャラ造形は大事だなあと。

 元々このシリーズって、あくまでラーメンが主題なものの、ところどころがマニアのあるあるネタというか。ああ似たようなことがあったなあ、同じぐらいヒドい奴に会ったことあるよ、こんなことやっちゃったなあ。回顧に怒りに黒歴史と、様々なやり方でこちらのマニアとしての心をくすぐってくるんですよ。箸にも棒にもかからないタイプの人間を上手くあしらうシーンの高揚感を見るに、スカッと系みたいな側面もあるのかねえ。スパッ!としたあしらいには、やっぱ憧れちまいますよ。そう現実は上手くはいかないってのもあるんだけど、だからこそってのはね。

 それにしても、再遊記の芹沢さんが陥りかけた負のスパイラル。ちょっと身につまされるな……俺もちょっと、ここ最近、いろいろ考えすぎてた気がするし、ちょっと馬鹿になるか。いやしかし、ほんと、こっちの心をくすぐるのが上手い漫画だわ!