Mask&Moon~紅き戦士達~

旋風の仮面戦士VS不朽の守護者。
両親と妹の為に身体を捨てた男と正義の為に我欲を捨てた男。
だが既に互いの道は入れ替わり、戦士は正義に、守護者は悔恨の復讐へ進む。
同じ“シロウ”の名を持ちながらも道が同じくなることはなく――

「V3 きりもみ――」
身体全体に捻りを加えてドリルさながらの勢いで敵を穿つ“V3きりもみキック”。だが、その一撃は再び開かれた極大の花びらにより押し止められる。
先程と似通った展開。しかし、この技はここで終らない。
「反転――」
弾き返された反動を利用しての跳躍。V3の身体が綺麗な宙返りを空に描く。
「キイーーッッック!! 」
再び襲い掛かる猛禽のごとき跳び蹴り。かつて強靭な意志を具象するかのような盾を持ち、戦に臨みし大幹部を意思ごと砕いた大技である“V3きりもみ反転キック”。この技ならば、それ以上に強靭な意志を誇る目の前の男を盾ごと砕ける筈――!!

パキンと聞こえる甲高い音、ローアイアロスの花弁はこの瞬間に散った。正義の味方の一撃は見事にそれを否定する男の盾を打ち破った。そして、その盾を持ちし片腕の骨も同時に――
「終わりか? 」
V3が問う。
「いや」
アーチャーの返答は強烈なる否。
「何故、彼を狙う?」
「あの少年には正義の味方を貫くほどの意志の強さが無い。死する時にきっと道を後悔するだろう」
「……随分と言い切るな。だから殺すと?」
「キサマにはわからないだろう。世界と契約せずに生きながら平然と守護者同然の価値を生み出す超人には解るはずもない答えだ」
セピア色に彩られていく世界。
この世界こそが正義の味方を目指した少年に与えられた世界。
この、荒野と無数の剣しかモノが無い世界こそが彼の終着点――
「オレの意志。この世界ごと砕いてみせろ」
「――ああ、存分にな」
砕けた腕など気にせずに双剣を構えるアーチャー、そして再び跳ぶ仮面ライダーV3。二人の紅い戦士が孤独の荒野で今、ぶつかる――

coming soon……