10&10 予告

 1号ライダーがライダー返しでクウガを投げ飛ばした。
 烈火の如きアギトの猛襲が2号を後退させる。
 V3スクリューチョップが龍騎のドラグセイバーを叩き落とした。
 アクセルフォームに変身したファイズがライダーマンを打ちのめす。
 Xライダーの真空地獄車に巻き込まれたブレイドが叫ぶ。
 アマゾンの大切断が響鬼の音撃棒に競り勝った。
 ストロンガーのエレクトロファイヤーをすり抜け、カブトが肉薄する。
 電王のロッドフォームでは、空飛ぶスカイライダーまで届かない。
 キバのドッガハンマーがスーパー1の梅花の型を押しつぶそうとしていた。

 9人のライダーの戦いが重なる世界、荒廃しきった世界、人類が壊滅しかけた世界。世界の名はBADAN。ここはバダンの世界。
 昭和における10号ライダーのZX、平成における10号ライダーのディケイド。二人のライダーはこの世界で何を見るのか……?

「こ、こいつには勝てない……。僕じゃあ、ディエンドじゃあ勝てない。そしてディケイドにも……!」

「キサマ、良い性能だな。作戦目的とIDは!?」
「通りすがり、仮面ライダーディケイド。……ダメだな。いまいち決まってない」

「ようこそディケイド。ここは君のための世界だ。だからユウスケや夏海くんは招待しなかった。思う存分、破壊し尽くしたまえ。破壊するところが残っていればな。そしてディケイドは、この世界の破壊者と破壊しあい、完膚なきまでに破壊される。お前は決して勝てない。クククク、ハハハハッ……」

「俺の名はミカゲ。またの名を、パーフェクトサイボーグ、タイガーロイド」

「この声の主こそ、バダン首領だ。争いだらけの世界を破壊し、新たな世界を作ろうとしている偉大な方だ」
「どこかで聞いたようなフレーズだな。それじゃあまるで――」

「仮面ライダーZX。バダン大首領、仮面ライダーZX。そう覚えてもらおうか。破壊者としてもライダーの総決算としても、ディケイドの上をいくライダーだ」

 歪んだ世界は役割をも歪め。ZXとディケイドの戦いは、お互いの歴史を賭けて繰り広げられる。二人は戦いの先に何を見えるのか? 真実と嘘が入り交じった物語が始まった――。

「おのれディケイドぉぉぉ!」